ご無沙汰していましたが,よく相談されることが多い離婚問題について,レジュメ風回答の第3回目は,「審判離婚」についてです。
3 審判離婚
(1) 審判離婚の意義
調停が成立するには当事者が合意しなければならないこ とから,合意が成立しない場合は不成立となる。しかし,調停の結果,家庭裁判所が離婚を認めるのが適当だと判断する場合は,家庭裁判所は職権で調停に代わる審判によって離婚を認めることができる(家事審判法24条)。このような離婚を審判離婚という。離婚審判において,親権者,財産分与,養育料等の処分もできるし,慰謝料等について給付を命じることもできる。
審判告知の日から2週間以内に当事者の一方から異議の申立があると当然に効力を失い,上記異議がなければ確定判決と同一の効力を有する(家事審判法24,25条)。
審判離婚は,上記のように極めて脆弱な効力しかないことから,全国で年間50件程度しか利用されておらず,利用される場合も渉外離婚がほとんどである。
(2) 審判離婚に適する事件
①当事者間に合意は成立しているが出頭できない等,何らかの事情により調停という形式を踏むことができない場合。
②合意のできない理由が主に感情的反発である場合。
③親権者の争いなどで,その時点における家庭裁判所の判断を示すことに意義がある場合。
④早期解決の必要性のある場合。
⑤主たる争点が乙類審判事項で,しかも,わずかな対立である場合。
(3) 届出
ア 報告的届出
審判離婚の届出は,調停離婚・裁判離婚(和解離婚・判決離婚)と同様に,報告的届出である。
イ 届出の方法
調停離婚の場合と同様であるが,離婚届に審判書謄本だけだはなく,確定証明書も添付する点,審判確定の日を記載する点が異なる。
※本レジュメの主要出典は,「離婚問題法律相談ガイドブック2006年版」(東京弁護士会・第一東京弁護士会・第二東京弁護士会)です。