読書について(「運命のボタン」)
「運命のボタン」(リチャード・マシスン著,ハヤカワ文庫NV)を最近読みました。
映像化された表題作や「二万フィートの悪夢」等の13編の短篇を纏めた作品です。
確かに面白い作品もありますが,何処が良いのか分からない作品も多く,全体としては,映画等の原作としてはともかく,短篇集としての完成度は高いとは思いませんでした。
「運命のボタン」(リチャード・マシスン著,ハヤカワ文庫NV)を最近読みました。
映像化された表題作や「二万フィートの悪夢」等の13編の短篇を纏めた作品です。
確かに面白い作品もありますが,何処が良いのか分からない作品も多く,全体としては,映画等の原作としてはともかく,短篇集としての完成度は高いとは思いませんでした。
「定食学入門」(今柊二著,ちくま新書)を昨日読みました。
定食学徒である著者による,定食の歴史・現状・展望について,丁寧に書かれた作品です。
分かり易い文体で,著者の定食,というか食べることに,対する愛情が全作にあふれており,大変楽しく読めました。
また,薄い味付けで,野菜をふんだんに食べると,おいしさが増す等の見解もそのとおりだと思え,有益な読書をした思いを抱けました。
「ヤメ検」(森功著,新潮社)を昨日読みました。
著名なヤメ検のインタビューが多出する作品ですが,確かに「司法エリートが利欲に転ぶとき」(副題)を描いた貴重な作品だとは思いました。
しかし,関東vs関西とか赤レンガ派vs現場捜査派等の図式的な説明が多く,果たして実態を何処まで描けているかについては,疑問を覚えました。
「仕事メシ入門」(鈴木志保子著,ベースボール・マガジン社新書)を最近読みました。
本作は,適切な食生活を,分かり易い文体と構成で描いた作品で,大変面白く,かつ,速やかに読めました。
手軽に有益な読書ができるという新書の典型だと思い,感心しました。
「勝海舟」(松浦玲著,筑摩書房)を昨日読みました。
かつて中公新書で著者の同名の作品を読んだことがありますが,本作はボリュームの点でも遙かに大きくなった作品です。
丹念なテキスト批判があり,また,時々の時事問題についても丁寧に触れられており,大変面白く読みました。
しかし,文書の構成も読みやすいとはいえず,資料を評価した上での勝海舟の評伝としての性格は希薄だと思いました。
「オーディンの鴉」(福田和代著,朝日新聞出版)を昨日読みました。
本作は,今風の情報社会の恐怖を描いたミステリーです。
平易な文体で書かれており,直接聞き込みにあたる特捜検事等はご愛敬としても,スムーズに楽しく読めました。
しかし,肝心の相手方については結局描かれておらず,その点の完成度はかなり低いと思いました。
「ゴーストライター」(ロバート・ハリス著,講談社文庫)を昨日読みました。
イギリスのブレア元首相をモデルにした政治家の自伝を,書くこととなったゴーストライターを主人公にしたミステリーです。
スリラー的な要素をあえて除去している点は感心しましたし,小説としてはかなり面白く読めました。
だたし,CIA神話に依拠し過ぎており,また,ゴーストライターという職種にまつわるエピソードが不足している点が残念でした。
「木曜日だった男」(チェスタトン著,光文社古典新訳文庫)を昨日読みました。
チェスタトンは,ブラウン神父シリーズを愛読していましたので,新訳が出た本作を読んでみました。
しかし,ミステリーとしてはかなり荒く,また,ウォーの「大転落」のような読後感も抱けず,あまり面白くありませんでした。
「正倉院」(杉本一樹著,中公新書)を昨日読みました。
正倉院の「歴史と宝物」(副題)について,淡々と読みやすい文体で,丁寧書かれており,スムーズに読むことが出来ました。
個人的には,事実上は孝謙上皇のクーデターであった「藤原仲麻呂の乱」の際,上皇方が正倉院の中の武器まで使用し,その後代替物が納入された等の断片的な事実が面白かったです。
「許永中」(森功著,講談社)を昨日読みました。
本書は,イトマン事件等で話題になった在日二世を主人公にしていますが,週刊誌的な域を出ておらず,出来は悪いと思いました。
副題は「日本の闇を背負い続けた男」となっていますが,むしろ「エピローグ」に書かれているとおり,主人公は「闇の伝達人」であったと思われ,テーマと内容がちぐはぐにもなっていると思いました。
昨年の今頃読んだ同様のテーマの作品の方が,良くできていると思え,残念でした。
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